- 投稿
- 2014/11/27
- 編集
- 2015/02/17
記帳代行について
今回は記帳代行について詳しくお話いたします。
前回、ビジネスモデルの話の中で、会計ソフトについて触れました。経営者の皆様がどの会計ソフトを選ぶかによって会計事務所含めて、結構重要なポイントであるというお話をいたしました。
ある一面ではその通りです。ただ、記帳代行を依頼するとなれば、話は若干異なってきます。
記帳代行とはなにか?
そもそも記帳代行とはなにか?
それはわかりやすく説明すると、仕訳作業のマルナゲです。
会計ソフトに企業側が会計データを入力し、仕訳していくのことを業界的に自計化というのに対して、売上、仕入、経費など会計にまつわる帳票を預けて、お任せすることを記帳代行といいます。(更に請求書等の発行、売掛金の管理などすべての業務を委託する経理代行というサービスも存在します。)
従いまして、記帳代行を依頼する場合は会計事務所側や記帳代行会社側が会計ソフト(システム)に入力するわけですから、そのソフトを選択するかといったポイントはあまり重要ではなくなります。
自計化の補完財となる記帳代行
記帳代行については、経営者側が非常に楽になるといった反面、タイムリーな会計状況の把握が難しくなるという難点もあります。
またコスト負担も高くなる傾向にあります。
ちなみに企業側のコスト負担は、一般的に以下の図になります。
経理代行>記帳代行>自計化
従いまして、コスト削減の観点からいけば、自計化することがベストなのですが、時間がない、入力知識不足、人員確保の難しさ、などの観点から小規模事業者を中心に記帳代行を依頼する方は非常に多いのが現状です。
今はやりのクラウド会計についても、実質的には自計化ですから、コスト的には優れているものの、すべての方が滞りなく、決算、申告まで一気通貫で終わらせられるかは疑問です(当然ITリテラシーの高い方は完結できる方も多いとは思いますが。。。)。
そこで、それら自計化の補完財となりえるものが記帳代行であると思います。
よく一部の税理士が、自計化か記帳代行かという2極化の話を真剣にしているのを見かけますが、非常にナンセンスな話ではないかと思います。
企業規模や企業の状況に応じて、柔軟性をもてる会計サービスがこれからは生き残ると思います。
供給者側の論理で自計化だ記帳代行だの極論の押し付けはプロダクトアウトの発想で、他の業界を見てもそのようなサービスに永続性がないことは火を見るより明らかです。重要なことは、自計化もクラウド会計も、記帳代行もあくまでツールの一つでありそれをどう活用するかは経営者側の差配に委ねられるということです。
それぞれにメリット、デメリットがありますが、それぞれは補完し合えるツールだということを認識してください。2者択一論に惑わされずに、使えるところを使い尽くす自社なりの会計・経理システムを構築してみましょう。
もし具体案がイメージできなければ、一度ご相談ください。
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エフアンドエムネット株式会社 会計ドットコム編集長 皆川 知幸
中小企業診断士の資格を保有し、会計事務所コンサルタントとして活動。今まで会計関連のセミナー講演実績は延べ300回を超え、出会った会計事務所は 延べ1000会計事務所を超える。