税理士

檜垣(ひがき)会計事務所ブログ

【檜垣会計事務所ブログ】損益計算書をフル活用したCVP分析による意思決定

損益計算書CVP分析

2014年10月7日

このエントリーをはてなブックマークに追加

前節では、一般的な損益計算書では、業績を正しく表示できないこと、変動損益計算書を導入することで正確な業績把握ができることを説明しました。

しかし、それだけでは、今後の打つ手は見えてきません。本節では、変動損益計算書を駆使し、経営の現状を把握し、今後打ち手のヒントを探します。

 

損益計算書をグラフ化して分析する

改めて前提条件を設定します。

(前提条件)

  • 販売単価4,000円
  • 製造原価:材料費1,600円/個・・・・・変動費
    加工費4,000,000円/月・・・・・固定費
  • 販売費及び一般管理費2,000,000円/月・・・・・・固定費
  • 実際販売量:3,000個

変動損益計算書を用いることにより、損益計算書をグラフ化し、様々な情報を損益計算書から引き出していきます。
まず、前項の前提条件を比率化します。

実際販売数  3,000個
 売上単価  4,000/個
 変動費  1,600/個
 限界利益  2,400/個
 限界利益率  60.0%
 固定費  6,000,000円

縦軸に固定費・営業利益、横軸に販売量を設定し、グラフ化(損益分岐図表)すると次項のようになります。

損益分岐点

このように、決算書の損益計算書を変動損益計算書に変換することで、会社の損益計算書をグラフ化できてしまいます。前節で説明したように、決算書に使われている普通の損益計算書では、このようにグラフ化することはできません。普通の損益計算書の場合、固定費のうち、月末在庫に配布された金額が翌月に繰り越されるため、このような単純な線形に置きなおすことができません。

このようにグラフ化することで、翌年以降の利益計画を立てる際に大変分析しやすくなります。次は、限界利益に注目し、売上高線と総原価線との差としてではなく、直接に利益を図示するために、損益分岐図表を限界利益図表に置き換えてみます。

限界利益図表

限界利益図表と損益分岐図表との関係は次のようになります。
営業利益=@売上高×販売量-@変動費×販売量-固定費

営業利益=(@売上高-@変動費)×販売量-固定費

営業利益=限界利益×販売量-固定費
・・・限界利益図表

(今までの流れ)

  • 決算書用の損益計算書
  • 変動損益計算書
  • 損益分岐図表
    (利益=@売上高×販売量-@変動費×販売量-固定費)
  • 限界利益図表
    (利益=@限界利益×販売量-固定費)

このように、複雑な決算書用の損益計算書を、一次関数に置きなおすことができました。

 

変動損益計算書の活用

グラフ化した変動損益計算書を利用して簡単な利益計画を想定してみましょう。
次のケース1を基本とし、これにいくつかの仮定を追加することで、損益分岐点(赤字が黒字に変わる販売量)がどのように変化するかグラフを使って分析してみます。

ケース1(基本)
実際販売数 3,000個
売上単価 4,000/個
変動費 1,600/個
限界利益 2,400/個
変動費率 40%
限界利益率 60%
固定費 6,000,000円

 

ケース2:固定費を200万円削減した場合

ケース1(基本) ケース2
実際販売数 3,000個 3,000個
売上単価 4,000/個 4,000/個
変動費 1,600/個 1,600/個
限界利益 2,400/個 2,400/個
変動費率 40% 40%
限界利益率 60% 60%
固定費 6,000,000円 4,000,000円

 

削減された固定費

(削減された固定費2百万÷限界利益2,400/個=833個分)少ない販売量で損益分岐点に達します。

 

ケース3:限界利益が1,000/個増えた場合(ex.販売単価の上昇)

ケース1(基本) ケース3
実際販売数 3,000個 3,000個
売上単価 4,000/個 5,000/個
変動費 1,600/個 1,600/個
限界利益 2,400/個 3,400/個
変動費率 40% 32%
限界利益率 60% 68%
固定費 6,000,000円 6,000,000円

 

損益分岐点販売量

ケース1の損益分岐点販売量は2,500個ですが、ケース3では736個少ない1,764個となっています。

 

 ケース4:限界利益が1,000/個下がった場合(ex.仕入単価の上昇)

ケース1(基本) ケース4
実際販売数 3,000個 3,000個
売上単価 4,000/個 4,000/個
変動費 1,600/個 2,600/個
限界利益 2,400/個 1,400/個
変動費率 40% 65%
限界利益率 60% 35%
固定費 6,000,000円 6,000,000円

限界利益

ケース1では損益分岐点販売量が2,500個でしたが、ケース4では大幅に伸びてしまいました。

 

通常の損益計算書を変動損益計算書に変換し、営業利益を販売数量と単価(販売単価-仕入単価=限界利益)からなる一次関数で表現しました。さらに、数量、単価を変化させたとき、営業利益がどのように変化するか簡単なシミュレーションを示しました。しかし、実際には、販売製品種類は複数にわたり、かつ、固定費も多岐にわたります。

次回は、実際に利益計画を立てる際のアプローチ方法をご紹介します。

 


このエントリーをはてなブックマークに追加

檜垣(ひがき)会計事務所    代表税理士  檜垣  典仁

当会計事務所では主に会社設立、相続対策を中心に業務を行っております。 ただ単に会社を作る、節税対策を行うのでは意味がありません。総合的に分析し、最適な提案を行うことが私たちの務めだと考えています。小さな問題から真摯に受け止め全力で解決へと導きます。

関連記事

決算書

  • 個人向け
  • 法人向け

【檜垣会計事務所ブログ】決算書を活かして、会社情報を経営に役立てる手法

決算書は重要な経営資料です。しかし、実際に決算書を十分に使いこなして経営判断に役立て…

檜垣会計

  • 個人向け
  • 法人向け

大阪での会社設立ならトータルサポートの檜垣会計事務所

税理士になった理由 私が税理士という仕事と出会ったのは、大学1…

檜垣(ひがき)会計事務所ブログ

コンテンツ

関東で注目の税理士

税理士五味事務所
細やかな対応で起業家を応援!会社設立なら税理士五味英樹事務所
税理士になった理由 私の父親が税理士であり、幼いころより税理…
入江会計事務所関東
経営者の最も身近なパートナー!会社設立なら税理士法人入江会計事務所
税理士になった理由 親戚に税理士がいるということもあって全く…
大橋先生
創業支援で経営者の夢をサポート!税理士法人大橋会計
税理士になった理由 私が税理士になることを決めたのは大学生の…

関西で注目の税理士

入江会計事務所アイキャッチ
「最も身近な経営パートナー」関西で会社設立なら税理士法人入江会計事務所
税理士になった理由 私は以前監査法人で監査業務に従事しており…
和田税理士事務所
フットワークの軽い若手税理士なら和田敦税理士事務所
税理士になった理由 高校2年生の時に何となく将来の仕事につい…
檜垣会計
大阪での会社設立ならトータルサポートの檜垣会計事務所
税理士になった理由 私が税理士という仕事と出会ったのは、大学…

檜垣(ひがき)会計事務所

檜垣(ひがき)会計事務所

事務所所在地

大阪府大阪市浪速区元町1丁目10番6号 堤ビル

この事務所へ問い合わせる

ページの先頭へ戻る