- 投稿
- 2015/03/17
- 編集
- 2015/03/17
相続税の配偶者控除の計算を教えてください
被相続人の配偶者が相続した財産に対する相続税の計算は、配偶者控除を差し引いて行われます。
配偶者控除の金額は、「法定相続分」か「1億6,000万円」のどちらか高い金額が適用されます。
相続税の申告期限までに分割されていない財産は税額軽減の対象にはなりませんが、事前に申請を出しておくことで税額軽減の対象となります。
相続税の配偶者控除
被相続人の死亡によって配偶者が財産を相続した場合、基礎控除とは別に配偶者控除による相続税の軽減制度があります。
配偶者控除の計算
配偶者控除の金額は、「1億6,000万円」か「法定相続分」のどちらか金額の高いほうが適用されます。言い換えれば、法定相続分を超えた財産を相続しても1億6,000万円までは非課税と解釈しても良いでしょう。
法定相続分
法定相続分とは、法律において望ましい財産の相続の割合の決め方を言います。配偶者はあらゆる場合において法定相続人となりますが、法定相続分は法定相続人の内容によって異なります。
配偶者の法定相続分は以下の通りです。
- 法定相続人が配偶者と子供の場合
⇒1/2
- 配偶者と被相続人の両親の場合
⇒2/3
- 配偶者と被相続人の兄弟の場合
⇒3/4
- 法定相続人が配偶者のみの場合
⇒100%
例えば、相続財産が1億円で法定相続人が配偶者と子供だけだった場合は、配偶者の法定相続分は5,000万円となりますが、仮に1億円全てを相続しても配偶者控除は1億6,000万円なので配偶者の相続税は非課税となります。
つまり、配偶者が相続税を課税されるのは、法定相続分をこえた財産を相続し、それが1億6,000万円を超えている場合において相続税の課税対象となります。
税額軽減の対象となる相続財産
この配偶者控除が適用されるのは、遺産分割などで実際に取得した財産に限られますので、相続税の申告期限までに分割されていない財産は税額軽減の対象とはなりません。
未分割財産への税額軽減の特例
ただし申告期限までに分割されていない未分割財産でも、以下の場合、配偶者控除の税額軽減の対象となります。
- 相続税の申告書又は更生の請求書に「申告期限後3年以内の分割見込み書」を添付して、申告期限までに分割されなかった財産について申告期限から3年以内に分割された場合
- 相続税の申告期限から3年以内に財産を分割できないやむを得ない事由があり、税務署長の承認を受けた後にその事由がなくなった日の翌日から4ヶ月以内に分割された場合
配偶者控除の手続き
配偶者控除を受ける場合の手続きとして、税額軽減の明細を記載した相続税の申告書又は更生の請求書に、戸籍謄本と遺言書の写しや遺産分割協議書の写しなどの配偶者の取得した財産を証明できる書類を添付して税務署に提出します。なお、遺産分割協議書の写しには印鑑証明書も添付する必要があります。
相続税の申告後に行われた遺産分割に基づいて配偶者控除による税額軽減を受ける場合、遺産分割が成立した日の翌日から4ヶ月以内に更生の請求という手続きをとる必要があります。
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