控除

  • 投稿
  • 2014/06/25
  • 編集
  • 2015/02/25

寄附金控除の税額控除と所得控除の違いは?

寄付金控除税額控除所得控除

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寄附金控除を受けるときの税額控除と所得控除の違いは、計算方法です。

  • 税額控除の場合
    ⇒税額を計算したのち税金から直接差し引きをする。
  • 所得控除の場合
    ⇒税額を計算している途中で差し引きをする。

寄附金控除額を計算上どの部分で差し引きするかによって、所得税額が変わってくるのです。

そもそも、この違いがうまれたのは平成23年7月からで、寄附金控除を受ける場合は所得控除での差し引きのみでしたが、税制の改正により、税額控除を選択出来るようになったため、寄附をおこなった側がより多くの控除を受ける選択が可能になりました。

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税額控除と所得控除の計算方法

では、どのような違いがあり、どのくらいの金額の違いが出てくるのか、ひとつ例をあげてご紹介します。

私たちが納税する所得税の金額は、

(収入金額-所得控除額)×所得税率ー税額控除額

という計算方法で算出されます。

では、下記の例の場合、どのような違いがあるのでしょうか。

年収:300万円
受けられる所得控除:基礎控除のみ38万円
寄付をおこなった金額:5万円

 

寄附金控除の所得控除を選択した場合

まず、寄附金控除額を計算します。

『年間の寄附金額ー2,000円=寄附金控除額』の式にあてはめて、
50,000円-2,000円=48,000円

収入金額3,000,000円-(基礎控除額380,000円+寄附金控除額48,000円)
=2,572,000円

つまり、課税対象となる所得金額は2,572,000円となります。

所得税率は課税される所得金額によって定められており、(こちらは最後にご紹介します。)
今回の場合は159,700円なので、実際に納税が必要な金額は、

159,700円-税額控除額0円=159,700円

となります。

 

寄附金控除の税額控除を選択した場合

同じように、まず寄附金控除額を計算します。

『(年間の寄附金額-2,000円)×40%=税額控除額』の式にあてはめて、
(50,000円-2,000円)×40%=19,200円

収入金額3,000,000円-基礎控除額380,000円=2,620,000円

つまり課税対象となる所得金額は2,620,000円となります。

所得税率の計算をすると、今回の場合は164,500円なので、実際に納税が必要な金額は、

164,500円-税額控除額19,200円=145,300円

となります。

 

税額控除を選択できる場合

この選択は、どんな場合でも出来るというわけではありません。

税額控除を選択するためにはどの団体へ寄付をしたのかが重要で、下記の団体への寄付であれば税額控除の選択が出来ると定められています。

 

「政治活動に関する寄附金のうち政党若しくは政治資金団体に対する寄附金、認定NPO法人等若しくは公益社団法人等に対する寄附金又は震災関連寄附金のうち特定震災指定寄附金」

それ以外の寄付の場合には所得控除しか選択が出来ないので、ここは注意が必要です。

 

まとめ

実際に計算をしてみてご理解いただけるように、税額控除を選択した場合のほうが納税額が少なく、より多くの控除を受けられたと言えます。

なぜこのような違いがうまれるのかというと、所得控除を選択した場合、寄付金控除額を収入金額からさきに差し引き、税率をかけるのに対し、税額控除を選択した場合には、計算の最後に、控除額をそのまま差し引くことが出来るためです。

では、なぜこの選択制がとられるようになったのか気になる、という方も多いのではないでしょうか。

高額所得者の場合、所得控除を選択した方が、より多くの控除を受けられる場合があります。一般的に年収1千万円以上の所得があると、高額所得者と呼ばれます。

つまり、年収1千万円以上の場合は、どちらのほうが納税額が少なくなるのか確認する必要がありますが、そうでない方は、ほぼ税額控除を選択したほうが良いといえます。

今回のポイントは、下記の2点になります。

  1. 税額控除は寄附金控除額をそのまま差し引くことが出来る。
  2. 高額所得者でない場合、税額控除を受けた方がお得な場合が多い。

みなさんもより多くの控除が受けられるよう、うまく選択をしてください。

最後に、計算途中に出てきました所得税率の計算方法をご紹介しておきます。参考にご覧ください。

所得税の速算表
課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超 40% 2,796,000円

国税庁HP参照【http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm】


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