銀行対策

  • 投稿
  • 2014/06/25
  • 編集
  • 2015/02/26

銀行融資の審査基準の一つの「利益」とは、なにをおさえるべきか?

減価償却節税

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融資を受ける際、銀行は会社の利益率をチェックしています。この利益率は、以下の5種類の利益から算出されます。

① 売上総利益
② 営業利益
③ 経常利益
④ 当期利益
⑤ 限界利益

会社の経営において、「過去最高益の更新」とか「利益重視型経営への転換」などという言葉をよく聞きます。融資をご希望される方にとって、会社のさまざまな利益の中で、金融機関はどの利益を重要視するのかは、気になるポイントだと思います。
以下で、詳しくご確認ください。

マルナゲ

融資のチェック項目「利益」

たとえば、融資の相談をしているときに、金融機関の担当者から、「会社の利益率をもう少し良くすると金利が安くできるかも…」といわれたことがある方もいらっしゃるかもしれません。これは、財務の数値がよくなると格付が上がって金利が安く適用できるからです。国内の金融機関が共用しているCRDというデータベースでは貴社の売上総利益率の評点を伸ばすと、会社の格付があがるというしくみになっています。

 

利益の種類

覚えておきたい利益の名前が、5つあります。
① 売上総利益 ② 営業利益 ③ 経常利益 ④ 当期利益 ⑤ 限界利益 です。

 

①売上総利益

売上総利益は売上から売上原価を引いたもので、一般的に粗利率といわれます。売上原価はモノを仕入れたり、製造したりする際にかかる費用のことです。この場合、働いている社員の給与も売上原価になります。正確には、「給与」と言わずに「労務費」と呼んで売上原価に含めて計算します。

 

② 営業利益

売上総利益から「販売費および一般管理費」という経費を引いた金額を、営業利益といいます。
販管費…はんかんひ」と呼んでいるこの経費は、営業にかかる費用のうちで売上原価以外の費用を言います。営業に関係はしていても仕入とか製造に関係のない経費ですから、社長や事務員の給与とか工場以外の賃料、光熱費がこれにあたります。この営業利益が、本業の利益を示すとされています。

 

③経常利益

営業利益に「営業に関係しないもので、一過性のものとは言えない収入や支出があればそれを差し引いたものを、経常利益といいます。例えば金融機関からの借入の利息などがこの支出にあたります。このように本業以外の収支も計算して得られた、経常的な業績をあらわすのが経常利益というわけです。

 

④当期利益

経常利益から一過性といえる特別な収入や支出を差し引きしたのが④(税引前)当期利益といいます。一過性の収入とは保険の解約差益などです。支出の方は資産を廃棄したときの除却損などです。この当期利益から税金費用を引いたのが税引後当期利益といいます。これを当期純利益と呼びます。

 

⑤限界利益

「売上に比例しない一定の費用」のことを「固定費」と呼び、それ以外の経費は売り上げに連動する経費としてこれを「変動費」と呼んで、会社の費用を2つに分けられます。「限界利益」とは、売上から「変動費」を引いたものをいいます。限界利益が固定費を上回れば黒字、下回ると赤字になるということになります。売上総利益率を改善した場合、営業利益や経常利益も同時に良くなるはずです。売上総利益を改善するために、労務費を抑えるのは難しいと思われがちですが、労務費もコントロールできる部分があります。

たとえば、以下の点をご確認してみてください。
・忙しいときに残業が増えるのは良いとしても暇なときは残業0を推奨していますか。
・賞与や報酬はその生産性を評価して、個人別に差をつけていますか?
・ひとつの作業に対してどのくらい時間がかかっているのかが分かる環境にありますか。

⇒改善して作業時間を短縮できれば生産性が上がったことになります。このように、変動費率に着目して売上原価比率の抑制と改善の目標を持つことが大切といえます。

 

 

まとめ

中小企業を経営する多くの経営者は、売上拡大と固定費削減に、十分精力を注いできました。その面ではもうやりきったと思われる方も少なくないのではないでしょうか。しかし、変動費率の改善にはまだまだ余地ありという企業は少なくありません。そもそも着目していない企業が少なくないといえるでしょう。

この労務費を含めた外注費と売上げに対しての比率『売上原価率』に注目して、少しでも比率を改善させる目標を持つことが、融資につながる大切なポイントとなるといえます。

これから融資をお考えの方も、一度金融機関から融資を断られてしまったという方も、利益のチェックポイントをおさえることで、融資の審査に通過する基準をクリアしていきましょう。経営者にとって、資金繰りは大きな課題となります。専門知識をもつ税理士などに相談するというのも、よりよい経営の近道といえるでしょう。


マルナゲ

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