銀行対策

  • 投稿
  • 2014/06/25
  • 編集
  • 2015/02/26

銀行融資の指標である債務償還年数とは?

銀行融資の指標

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債務償還年数とは、銀行が融資先を分析する上で最も重要視するポイントのひとつです。

債務償還年数の計算式は、以下の通りです。

「(①-②)÷③=債務償還年数」

  • ①有利子負債残高
    =短期借入金+長期借入金+社債+割引手形−預金
  • ②所要運転資金
    =売掛金−買掛金+受取手形+在庫−支払手形
  • ③キャッシュフロー
    =税引後当期利益(一過性の収支は加味しない)+減価償却費

銀行は、融資継続のためには、企業に対して「経営改善計画書」を作る必要があると指導しているケースが多くあります。

経営改善のゴール指標の一つである「債務償還年数が10年未満であること」をクリアできる計画を立てることが大切です。

[関連項目]債務償還年数の計算の例

 

マルナゲ

経営改善計画書

これまでは金融庁が赤字の企業でも「改善の見込み」があれば、「赤字即問題ある企業」としなくてもよいという緩和対応策をとるように銀行に対して指導してきた背景もあり銀行は赤字企業といえども、新規融資や融資継続を進めてきました。

しかし、現在では、赤字が続いている企業は、融資継続のためにも「改善計画」を、きちんとたてる必要が出てきました。

経営改善計画書とは、営業面だけでなく、経費削減、業務の効率化など多角度的に経営を見つめ直して、5年から10年かけて着実に改善をしていこうという計画です。

実現性の高い、かつ 抜本的な改善を取り上げて作成するので「実抜(じつばつ)計画」と呼んでいます。実抜計画は5年後をゴールとします。このゴールとは、銀行が重要視している指標で、以下の2つがあります。

銀行が重要視する指標

  1. 時価ベースでの債務超過が解消されること
  2. 債務償還年数が10年未満であること

経営改善計画とは、これらをクリアする計画を作成出来るかどうかなのです。

 

債務償還年数

銀行が重要視している指標のひとつである、「債務償還年数が10年未満であること」の「債務償還年数」とは何なのでしょうか。

債務償還年数は、以下の計算式で求められます。

 

債務償還年数を求める計算式

(①-②)÷③=債務償還年数

  • ①有利子負債残高
    =短期借入金+長期借入金+社債+割引手形−預金
  • ②所要運転資金
    =売掛金−買掛金+受取手形+在庫−支払手形
  • ③キャッシュフロー
    =税引後当期利益(一過性の収支は加味しない)+減価償却費

 

ここで求められた数値が10未満であることが、銀行の指標のひとつということです。簡単にいえば、借金は10年で返せる状態が正常な状態と銀行が判断していることになります。

 

資本金0円で会社を新しく始めた場合

これから、新しい会社を資本金0円で始めようとする場合についてご説明します。

売上は3カ月後期日の手形を受け取るとし、一方で、仕入の支払いは末締め翌月払いとします。

仕入は売上の70%。(粗利が30%)
毎月の売上げ1,000万円。

仕入は毎月700万円とすると、
貸借対照表をイメージすると売掛金(受取手形)は3,000万円。

買掛金は700万円。

そうすると会社は2,300万円が常に決済入金待ちの状態となります。

いつも必ず2,300万円の運転資金が必要ということです。つまり、会社をつくった瞬間でも、必要となる運転資金が存在するということになります。

この場合、資本金は0円ですので、赤字でもないのにいきなり「借り入れ」が必要となるということです。

 

この金額を「所要運転資金」と呼び、これは必要な借入だから借金を何年で返せるか?という計算から省く、とするわけです。

③のキャッシュフローですが、要は1年でいくら返せるのかということを意味します。税引後の当期利益に減価償却を加算します。

減価償却費を加算する理由は、会社決算の経費にはなっていますが、すでにお金は払ってしまったものを分割して経費にしているわけですから、その額を返済能力に加えるわけです。ただし、将来にわたっての返済能力を確かめますので、一過性の収入や支出は除くこととしています。少し複雑になっていますが、逆を言うと、10年で返せる借金ならば正常な借入と考えてもいいということになります。

 

①1億5,000万円、②4,000万円、③減価償却費500万円の場合

下記のケースでは計算式はどのようになるのでしょうか。

①有利子負債残高が1億5,000万円
②所要運転資金が4,000万円
③キャッシュフロー内の減価償却費が500万円

これらを計算式にあてはめると、

①-②=1億1,000万円
1億1,000万円÷(③+A)≦10 のAを求めればゴールが見えるということになります。

この場合だと、Aは600万円となりますので、5年後に600万円の利益を出すような計画を立てられればいいということになります。

例えば、2年目は100万円、3年目300万円、4年目500万円、5年目600万円、こんな推移の目標が描けるといいでしょう。

 

まとめ

改善計画を立てる上で、「債務償還年数」は大切なポイントとなります。

融資などの資金繰りは会社を経営する上で非常に重要となりますが、経営者を悩ます問題とも言えます。

事業自体の運営に忙しくて、ついつい後回しになっているという方も多いと思いますが、現在の経営状態に改善の余地があるかどうか、専門家に相談するなどしながら、きちんと考えていく必要がありますね。


マルナゲ

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